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養育費の減額ー公正証書ー
養育の取り決めなど,離婚時の条件を公正証書にすることがあります。
公正証書は,公証役場で公証人の前で,離婚協議書の内容に間違いがない旨確認をして作成します。
公正証書にすると,確定判決と同一の効力が生じます。
その意味は,相手方が約束に反した場合に,訴訟をすることなく,直ちに強制執行が可能な点です。
通常は,離婚協議書があっても,相手が養育費を支払わなかったり,慰謝料を支払わない場合には,訴訟を提起して,判決を得たからでないと,相手の財産に強制執行をして回収することはできません。
しかし,公正証書にすることで,訴訟をせず,強制執行が可能です。
では,公正証書にした場合,もはや養育費の減額請求はできないのでしょうか。
この点,協議離婚の際に公正証書によって合意した養育費の減額を求めた事案において,減額変更するだけの事情の変更があると認められた上,公正証書において,養育費につき期限の利益喪失約定が定められているが,養育費はその本質上,上記約定に親しまない性質であるとともに事情変更による減額請求が許されなくなる理由もないとして,申立てを認容した事例があります。
つまり,公正証書になっていても,養育費については,事情変更による減額が可能とされています。
また,増額についても,物価の急激な上昇,物価変動,貨幣価値の変動があたるとされています。
教育費の増大について,たとえば18歳までの約束に対して,大学進学などを希望した場合に認められるかどうかについてあ,両親の社会的地位,学歴,経済力,家庭環境などを考慮して判断されます。
横浜の離婚弁護士 細江智洋