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養育費の増減
一度決めた養育費について,増減を求めることができるのでしょうか。
協議や審判によって養育費が定められた後に,養育費を払う方や,払ってもらう方の事情が変更したときには,養育費の増額や減額の請求をすることができます。
例えば,離婚後に失業したり,再就職したが収入が減ってしまった場合などには,その事情変更に応じて減額を求めることができる場合があります。
なお,これまで触れている通り,あくまでも前回の取り決めや審判時の後に,事情が変更したことが必要です。
何ら事情が変更していないのに,金額に不満だというだけで減額を求めようとしても,認められません。
実際に減額を求める場合には,以前とは事情が変更したことが分かる資料が必要です。
さて,話し合いで養育費の増減が決まらない場合は,審判を求めることになりますが,その場合,変更の審判がされれば,その効果は事情変更のときにさかのぼります。
これはどういうことかというと,経済的事情で当初取り決めた金額では養育費を払えなくなってしまった場合に,そのままでは未払い状態ですから,(調停調書や審判などの債務名義があれば)強制執行をされてしまします。
もし変更の審判の効果が遡らなければ,事情変更後,審判までは未払い状態となり,支払うことができない状態で,裁判所もそのことを認めているのに,その間の未払いについては強制執行もされかねないということになってしまいます。
しかし,効果が遡るということは,このような心配はないということです。
したがって,経済状況の変化により養育費を支払えなくなってしまった場合には,放っておかず,養育費の減額請求をするとよいでしょう。
横浜の離婚弁護士 細江智洋