
別居と同居請求
夫婦は,原則として同居しなければなりません。
法律で同居義務が定められていますが,当然のことながら,夫婦の合意があったり,単身赴任,入院などは,同居義務に違反したことにはなりません。
しかし,別居を強行したような場合には,相手方の配偶者は,同居を請求する調停や審判を家庭裁判所に対して申し立てることができます。
もっとも,同居を審判がされても,同居を強制させることはできません。
その意味では,実効性を欠く方法といえますが,同居の審判が出ているのに同居に応じないことは,離婚を求める理由になり得ます。
同居審判は,同居する意思がなかったり,同居の可能性が皆無の時にも,相手を困らせる目的でされる場合もあります。
裁判所は,次のように,同居請求を拒否できる条件を示しています。
「夫婦間の愛情の冷却及び信頼の喪失により差当り到底円満な共同生活の回復を期待し得ないような場合には、・・・夫婦のどちらも他方よりの同居請求を拒否できると解すべきである。」(神戸家審昭和40年12月14日)
したがって,同居の審判がされることは容易ではありません。
離婚相談弁護士横浜 細江智洋