刑事告訴する場合 離婚相談弁護士横浜 細江智洋

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刑事告訴する場合

 

夫婦間で犯罪行為が行われた場合,例えば,無断で離婚届を作成して役所に提出したような場合には,その相手方を刑事告訴できる場合があります。

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この例では,有印私文書偽造罪・同行使罪,公正証書原本不実記載罪という,物々しい罪名に該当することになり,最大で懲役5年です。

このような犯罪行為を行った相手を刑事告訴すると,告訴したこと自体が,婚姻生活を維持する意思がないことを示す一要素とされることがあります。

この点について次のように述べている裁判例があります(東京地裁平成4年6月26日)。

被告が告訴1、2をしたことは、いかなる理由があるにせよ、原告との共同生活を営んでいくためにはプラスとなる要因でないことは明らかである。離婚無効事件そのものは、・・・原告は上告もしないで判決を確定させて、被告に判決認容の慰謝料を支払い民事責任を果たしているのであるから、被告が原告及び子供らとの一緒の生活を真撃に回復したいのであるならば、先ず、原口の過去の行為の全てを宥恕することから始めるべきであったにもかかわらず、それとはまったく逆の方向に原告を追いやることとなる刑事告訴という手段に訴えてしまったことは、いかなる弁解をもってしても、配偶者に対する行為としては理解することのできない不可解な行為というほかない。それのみならず、告訴の結果が不起訴処分となったことを不服として検察検査会に審査請求をするに至っては、いかなる意味においても、かかる行為が原告との会話を求めてのやむを得ないというものではなく、その域を著しく超えていることは明らかであって、もはや、かかる状態にある原告と被告は、愛情と協調の関係にあるべき夫婦の像とは掛け離れた憎悪の坩堝と化した状態にあり、二人の婚姻は、継続することが不可能なほどに破綻した状態にあると判断するほかない。」

裁判例の表現も結構峻烈ですが,常識的に考えても,離婚を拒否しながら相手を刑事告訴するというのは,おかしいといえると思います。

その「おかしさ」を論理的に表現すると以上のようになるわけです。

離婚相談弁護士横浜 細江智洋

 

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