
内縁と法律婚
いわゆる内縁関係は,法律婚に準じて保護されることになっていますが,婚姻届を提出しないという点で,法律婚とは当然ながら異なります。
そのため,内縁と法律婚を比較すると,以下のような違いがあります。
・内縁の場合は,氏は変更しません。
・未成年が法律婚をした場合には,成年とみなされますが,内縁の場合はこのような効力はありません。
・法律婚では,夫婦間の契約は婚姻期間中は一方的に取り消すことができるとされていますが,内縁ではできません。
・内縁の配偶者の親族との関係で姻族関係は生じません。
姻族とは,配偶者の親族のことで,内縁関係の場合には,相手の親族と法律上の親族関係にはならない,ということです。
・親権について,法律婚の場合には両親の共同親権ですが,内縁関係の場合には,母親による単独親権です。
・法律婚の場合には,一方の配偶者が亡くなった時には,他方の配偶者が相続人となりますが,内縁の場合には相続人にはなりません。
もっとも,亡くなった配偶者に相続人がいない場合には,内縁の配偶者は,特別縁故者として相続財産の分与を請求することが考えられます。
法律婚と内縁には,以上のような違いがあります。
法律婚という制度をとっているため,このような違いが生じることになるのです。
横浜の離婚弁護士 細江智洋