
重婚的内縁関係の保護
重婚的内縁関係とは,内縁関係にある当事者に法律上の配偶者がいるにもかかわらず,事実上の婚姻関係が存在していることをいいます。
このような関係でも,法律上の婚姻関係が破綻しており,事実上の離婚状態にあるような場合には,重婚的内縁関係が保護されるべきであると考えられています。
さて,具体的には,どのような場合に重婚的内縁関係が保護されるのでしょうか。
裁判例の傾向から,ある程度の基準があると考えられています。
法律婚の形骸化について
①別居期間が相当程度長期であること
②夫婦間での連絡等がほとんどされていないこと
③生活費などの金銭のやり取りがないこと
④他方にも別の異性がいること
などが考慮要素になります。
重婚的内縁について
①同居期間が相当程度長期であること
②対外的にも夫婦としての外形を有していること
これは,例えば住民票の記載,健康保険被扶養者,勤務先への届出において「内縁」の記載がされていることや,ご近所・親類に夫婦として認識されていることです。
このように,重婚的内縁関係が保護されるかどうかに関しては様々な要素を考慮した結果判断されます。
離婚相談弁護士横浜 細江智洋