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仮差押
離婚時の慰謝料,財産分与などの支払いを確保する方法として,仮差押という手段があります。
仮差押とは,相手に対して金銭的に請求可能な権利がある場合に,将来の強制執行を確保するため,相手の財産を仮に差し押さえる手続です。
お金を相手に請求するときに,すすんで払ってくれなければ,訴訟提起し,判決を取得して,強制執行をしなければ,お金を回収することはできません。
なお,判決を取得しても,それだけでは,例えば相手の預金から回収するとか,相手の自宅にいって現金を持ち出すなどの方法はとることはできず,このようなことをしたら犯罪になりかねません。
判決に基づいて,強制執行をして初めて,お金を回収することができます。
このように,相手が支払いを拒否している場合にお金を回収するまでは,時間がかかりますので,その間に相手が預金を使い切ってしまったり,隠したり,不動産を処分してしまったり,はたまた他の債権者に支払いをしてしまう場合があります。
そのような場合には判決はただの紙切れになってしまいます。
そこで,将来の金銭の支払いを確保するために,相手の財産をあらかじめ仮に保全しておくというのが,仮差押です。
仮差押の場合には,裁判所が決める金額,(多くの場合は数十万円)は,担保を供託する必要があります。
仮差押をすると,例えば預金の場合,預金残高が500万円のところ,300万円を仮差押した場合,その300万円については銀行が別の口座に移し,残高は200万円になります。
この300万円は下ろすことができず,強制執行がされるまで残させることができるのです。
横浜の離婚弁護士 細江智洋